株式会社ヒロコーヒー外食アワード2015受賞 

先輩からのメッセージ
 
一目惚れはケーキでした
2008年中途
來田幸二郎
いながわケーキ工房

 
 
 
「一目惚れはケーキでした」
初めてヒロコーヒーを訪れたのは、僕が専門学校を卒業した春でした。
製菓学校に通い基礎知識と技術を学び、勉強の為に色々なケーキを食べ歩く日々・・・。 「こんなケーキが作れるようになりたい。」 この思いだけはどうしても譲れず、そんなケーキに出会う事が出来ないまま卒業を迎えてしまいました。
そんな時、「美味しいケーキを出す珈琲屋がある」と父に連れられて行ったのがヒロコーヒーでした。 正直、色々まわってきたケーキ屋が珈琲屋のケーキに劣るわけはないと思っていました。疑い半分で訪れた時の事は今でもよく覚えています。 その当時はケーキサンプルをお客様のところまで持っていき注文を聞くスタイル、数あるケーキの中で一際気になったのが「利休」という抹茶のチーズケーキでした。ふつう抹茶のケーキと言うと色合いは鮮やかで、黄緑色をしている抹茶風味のケーキ。そんなイメージがあったケーキとは正反対な風貌で色合いは濃厚な味わいが見た目でわかる濃い緑色、名前のネーミングにも心がひかれて注文しました。
感想を一言で言うなら「衝撃」・・・今まで食べていたケーキの枠を軽々と超えていく美味しさ・・・。こんなケーキ食べたことがありませんでした。 そんなケーキに出会えた事が僕の職人としての第一歩です。
 
「全てはケーキの為に」
ケーキ工房の主だった仕事はケーキの製造、製造したケーキを各店舗への配送、新しいケーキの創作の三つです。季節ごとで変わるケーキの状態に目を凝らし、より良い商品を造れるように腕を磨き、新しいケーキを創りだす為に知識を深める。どんな経験でも仕事に活かせるように、常日頃から考え動くようにしています。
そんな職人としての仕事に対する姿勢や技術などを教えてくれたのはケーキ工房を立ち上げから20年以上盛り上げ続けた前シェフでした。教えてもらった知識・技術を今は僕が後輩達に伝えていけるよう努力しています。
 
「笑顔の隣にはケーキがあります」
色々なケーキを考え創ってきた中で、苦しい時は多々ありました。新しい味を創る時、先に歩いている人は誰もいません。全てを手探りで進むしかなく、何度も試行錯誤し失敗を繰り返します。妥協すれば簡単に解決する事がほとんどです。 
ですが、どこまで自分の創るケーキを満足出来るかが職人のこだわりであり、唯一無二のオリジナルケーキとなるかの分かれ道になります。その先にある商品化に至ったケーキに対する思い入れはやはり特別なものです。 そんなケーキが販売され、お客様に買っていただけた時の喜びは作り手である僕たちを笑顔にさせてくれます。
 
「ケーキの壁は甘くありません」
どんな仕事でもそうですが、仕事をしていく中で必ずどこかで壁に出くわします。
ケーキの世界では、ショートケーキのクリームが綺麗に塗れないや生地の焼き色が一定に統一出来ないなどの、個人の技術によるものが大いにあります。 経験して乗り越えるもの、技術を高めて乗り越えるもの、知識を深めて乗り越えるもの・・・。様々な壁に屈する事無く乗り越えた先に出来なかった事が出来るようになった喜びがあります。今はまだ違った形の壁に出くわしていますが、今日よりも明日、明日よりも明後日、今いる自分より日々高めていけるように精一杯努力しています。
 
「個性はケーキで表現されます」
ケーキ工房では新商品の社内コンクールが行われています。そのコンクールで上位3位に入ると商品として店頭で販売されます。入社当時は挑戦的なものではなく流行りのものばかりを創って上位入賞を逃し続け、当時はオリジナリティーの表現がわからずにいました・・・。どんなケーキを創っても何か似たり寄ったりになってしまう。そんなジレンマから抜け出せず同期や後輩達が商品化していくなかで勝つことが出来ないまま数年が立ってしまいました。
そんな時に思い出したのが、「利休」でした。オリジナリティー溢れる味わいと独創的な名前、フッと思い出した時。『流行りに乗るとか考えずに自由に創ろう。』そう思えた事が、壁をひとつ乗り越えるきっかけになりました。 その時のケーキは、パイナップルとヨーグルトをメインにしたケーキで、ヨーグルトのムースにアロエを入れた今までにないものを創りました。当時食べ合わせの勉強をしていた事で、パイナップルとアロエの食べ合わせには美肌効果があると知り、インパクトのある自分らしいケーキを表現したくて、ケーキの名前は『クレオパトラ』にしました。面白い組み合わせを取り入れ、変わった名前もつけました。2012年の夏に初めて1位を取ることが出来たのは入社して一番嬉しかった出来事です。
 
「オンリーワンなケーキを求めて」
入社して8年、最近では商品化する機会も増えました。そんな中でも挑戦する気持ちを忘れずに、新しい味を追求し、妥協する事の無いようにいつも気を付けています。最近ではお客様の中にも僕が創るケーキを楽しみにして下さっている方もいらっしゃいます。そんなお客様をもっと増やせるように日々精進し技術・知識を磨いて僕にしか創れないケーキを創り続け、提供していく事が今の僕の目標です。
 

お問い合わせ:株式会社ヒロコーヒー 人事課  担当/正木
面接地:本部いながわ工房 兵庫県伊丹市北伊丹5-15-1
電話:072-778-0411 FAX:072-778-0441