「伝説のカフェ」はHIRO珈琲とカフェマガジンの共同企画サイトです。
HIRO珈琲各店、当サイト、雑誌「カフェ」誌上を結んで、
何かおもしろいことをやろうよ、と始めました。
いろんな人がワサワサ集ってつくられるサイト上のカフェです。
まあ覗いていってください。
●Ediオカモトくん
2月22日号(通巻第4号)
さしずめハリー・ポッター役、ダニエル・ラドクリフの日本少年版か
と思われるような少年が、電車の座席でまどろみかけようとしていた。
(ある日の取材帰りの車中でのことだ)
紺の制服を着て、赤ら顔、クリクリッとした目。
ゆりかごのように心地よい電車の揺れの誘いにのり
今にも閉じようとしているまぶたの重さと、必死の思いで戦っている。
都内の私立小学校に通っているのだろう。
全体に理知的な雰囲気を漂わせているが、
一日を終え、ランドセルのクッションにどっしり
もたれかかっている子供っぽい様子が微笑ましい。
乗客はまばらである。
冬の午後の日差しが車内全体に差し込み、
一瞬ホテルのラウンジかと思われるような空気が流れていた。
誰もがそんな時間に身をゆだねている。
「何の勉強が好きだ?」
幸せな空間に声が流れた。
この状況におよそ不釣合いな内容の男の声。
(なんだ? 唐突に)
乗客はみな男の声で現実に引き戻され、
この平和な時間の退屈しのぎに
これから始まるであろう会話の内容を聞くともなし
聞こうと態勢を整える。
声の主は少年の目の前に座っていた初老の男性。
先ほどから孫を見つめるような目で彼を見ていた。
男は一人、先ほどから声をかけたくてうずうずしていたに違いない。
はっと我にかえった少年は、
瞬時にその言葉が自分にかけられた言葉だと理解し、
まっすぐに声の主を見つめた。
「何の勉強が好きだ?」
「理科」
「おもしろいか」
「うん」
そこで会話は途切れる。
老人と子供の車内で交わすたわいのない会話であった。
もうすぐ次の駅だ。
「…ケイオウに入りなさい」
少年は意味が分からずきょとんとしている。
(オイオイ、神の啓示じゃあるまいし)
再び訪れる沈黙。
「何になりたい?」
「農業か漁業」
次の駅に到着し、少年は老人に軽く会釈をすると降りていった。
老人は深く息を吸ってゆっくり吐き出し、目を閉じた。
(あなたは少年の答えに何を期待していた? 政治家? 社長?
裏切られた気分? 見るからに利発そうな少年を自分の後輩にしたいと思ったのか?
少年に座布団5枚差し上げてくれ!
ケイオウ、社長、政治家…という図式はこの国では過去のものだ。
ケイオウ? もちろんオッケーよ。
でも農業か漁業、第1次産業に何らかのかたちで携わりたいという
少年がいる、そのような教育がなされてきているということに
すがすがしい気分になったなあ。
ああ、白いごはんと海苔が喰いてえー)
あんたが一番ヒマそうだからという理由だそうです。
ええー、まっ毎週更新っすかあ。はあー?
タイトルに高貴な紫を使ってあげたよと言われてもなぁ(あんまり嬉しくない、オレ)。
デキル男は日曜日にはすっぱり仕事を忘れなきゃいけないしノという言葉は誰も聞いてはくれなかった。
わかった。男オカモト。インフルエンザになろうが、花粉症が始まろうが、書いてみせます
(が、せめてときどき休みと入れておいて)。
まずは自己紹介。私は雑誌「カフェ」編集部のスタッフです。
編集部は横浜ですが、自分の住まいは都内ですが、3月までに湘南に引っ越そうと思っています。
仕事をしていても電車に揺られていても、ときどきボヤーっと頭の中に海が浮かんできて
ヤリテエ、ヤリテエ、と思ってしまうんです。何をって「シーカヤック」。
わあー、おやじぃー。サーフィンだべやっぱあー、なんてよく言われるんですが、皆さんカヤックの真髄をご存じない。
パタパタ、パドルを動かしているだけじゃないんですよ(注;カヤックではオールではなくパドルという)。
まあそのあたりの話はおいおいゆっくりとお話します。
今日の横浜は春遠からじと感じさせます。
梅もちらほら咲いてきて、バス停でたむろしている中学生が鞄からお守りをぶら下げて、
携帯で盛んに合否を連絡していました。そういえばずいぶん日も長くなりました。
そんな2003年2月。今日からよろしくお願いします。m(_ _)m