「伝説のカフェ」はHIRO珈琲とカフェマガジンの共同企画サイトです。
HIRO珈琲各店、当サイト、雑誌「カフェ」誌上を結んで、
何かおもしろいことをやろうよ、と始めました。 
いろんな人がワサワサ集ってつくられるサイト上のカフェです。
まあ覗いていってください。



4月26日号(通巻第11号)
はじめての給料を手にする(した)人も多いこの季節。
わお! と単純に喜ぶか、
あー、この値段で自分を売ってしまったんだなーと思うか、
人はそれぞれだ。

本日付(4/26)の朝日新聞「be on Saturday」(いわゆる土曜版だ)を読んでいた。
スパークリング直後の星野敬太郎の上半身が目に飛び込んできた。
(朝日新聞をご購読の方はご覧ください)
星野はミニマム級元世界チャンピオン。

汗を滴らせて真正面から挑みかかってきた。
「俺はやる、オマエはどうなのだ」と
つかみかかるような瞳にハッとなった。

引退復帰、引退復帰を繰り返し、この3月に「もう1度だけ」と4度目の引退撤回をした。
6月に挑戦者として世界タイトルマッチのリングに上がるという。33歳。

「好きでも、おまんまの食えない仕事は天職とはいえない。
ボクシングは世界チャンピオンになって防衛しなきゃ食っていけない。
(中略)満足するにはまだ、ごほうびが少な過ぎるんです」
(朝日新聞より)

ここまで読んだとき、おりしもFMラジオから「175R」の
メジャーデビュー曲が流れてきた。
正確ではないが、
あの時、夢を追いかけた自分が、今でもここにいる、と
絶唱している。

ああ、また、夢とか、希望とか、そんな青臭いことを考えている、と
ポッカリ空いた時間があるとすぐに思春期に戻ってしまう自分にあきれている。
いったい社会人になって何年になるというのだ。

「明日があるさ」という歌の中で、
「いったいオレは何のために頑張ってるんだろう」という歌詞がある。
「家族のため? 自分のため?」と続くのだが、
サラリーマンは多かれ少なかれ毎日が
その自問自答の繰り返しだ。

しかし最近その問いの答えを少し見出した。
ほんの少しだけれど、目の前の暗闇がパッとひらけた気分だ。
そのヒントはある本の中に隠されていたのだけれど、
このサイトのBOOKのコーナーでご紹介することにする。
どうぞ「伝説のカフェ」BOOKコーナーにいらしてください。
乞う、ご期待!

4月12・19日合併号(通巻10号)

気がつくと、つつじが咲いていた。
気がつくと、ひまわりが咲いていた、ということになっていないようにしたい。
街の風情も刻々と変わる。
気がつくと、あの店がない、あれこの店も? ということが多い。

あるオフィス街にカフェがある。
人通りもよく、にぎわっていた。
が、最近お客さんがガックリ減ったというのだ。
人通りは変わらないのだが、
給料が上がらないため財布のひもが硬くなったのだと、
店主は判断していた。
オシャレなカフェでコーヒーを飲むよりも、オフィスコーヒーで我慢しよう。
いままでランチはカフェだったが、
お弁当箱を一つ用意して、1時間早く起きよう。
マックですませよう。
コンビニでいいや。
そんな人が多くなったという。

店主は今、何をしなければならないか。
不況続きで、給料も上がらない、いいことが何もない、
…それでも、だからこそ、
発想の転換をするために、リフレッシュできるように、
お客様が行きたいと思う店にしなければ。
オフィスコーヒーでは味わえない味、
リラックスできる空間を提供しなければ。
少しでも幸せな自分を取り戻してもらわなければ。
店主は試行錯誤を繰り返している。

そんな折、ピーツジャパン(株)より連絡をいただいた。
「peets and tea 南青山店」4月20日をもって閉店。
六本木1丁目店は5月末日までの営業。
新宿、神田店はすでに閉店して久しいとのこと。
すべての店をたたんで、
ピーツジャパンとしては今後の対策を模索中という。

ミルクのほかに豆乳を用意して提供していたピーツ。
おりしも豆乳、豆腐ブームである。
この「伝説のカフェ」の掲示板でも豆腐を使ったデザートが話題にのっている。
あなたも参加してみませんか。

4月5日号(通巻第9号)

ファーストフード店で、選択肢の多いセットメニューの注文の時ほど
瞬間的に力が入ってしまうものはない。
以下はサンド系ファーストフード店での注文の場での話。
1人の客が代表して4人分の注文をしている。オーダーを受けて作る店員(女子)は1人。
(店には他に男子3人の店員がいた)

(客) えっと、まず、ポークジンジャーセットで(パンは)プレーン。
    飲み物はアイスティーのS。
(店員) ミルクとシロップはいかがなさいますか?
(客) あ、ミルクだけで。

プレーンパンを手に黙々とポークジンジャーサンドを作りはじめる彼女。

(客) それから、べジハムセットで(パンは)チーズ。
    飲み物は烏龍茶のM。
    それからー、エッグセットで(パンは)セサミ。
    飲み物はホットコーヒーでM。

(その時、客はふと、このまま注文を続けて大丈夫かな? という素振りをした。
彼女はオーダーを紙に書いている風もない。集中して手を動かしているだけだ)

(店員) 以上で?
(客) あ、それからもう1つエッグセットで(パンは)プレーン。
    飲み物はアイスティーのM。ミルクとシロップもつけてください。

(気が利く客だ。聞かれる前に言った。学習能力1ポイントプラスだ)

(店員) 以上で?
(客) はい。

客はレジに進む。
後列の1人として興味深く見ていた。
彼女には愛想がない。しかし…

パンを正確に作り終え、ドリンク係とおぼしき男子店員にオーダーを伝える。
(店員) アイスティーS1(ワン)、M1(ワン)、烏龍茶M1(ワン)、ホットM1(ワン)、
      ミルク2(ツー)、シロップ1(ワン)…(客に向かって)ホットにお砂糖とミルクは?
(客) いいです。
ドリンク係がトレイに飲み物を置いていく。
アイスティー(S)、アイスティー(M)、烏龍茶(M)、アイスコーヒー(M)…

(店員) 違う、これ。(アイスコーヒーを示す)
ドリンク係がアイスコーヒーSを出す。
(店員) 違う。(と言って自分でホットMをいれてくる)

彼女はトレイを差し出し「ありがとうございました」と言うと少し笑い、
次のオーダーを受けにその場を離れた。

アッパレ、鮮やかだった。
ものすごい集中力とプロ意識。
ドリンク係の男子店員との差は大きい。
(まさか時給は同じじゃないだろうな…)

君はきっとどんな職業についても大丈夫だ。