株式会社ヒロコーヒー
CSR委員会 林美花

全国大学連合特別公開講座主催、株式会社ヒロコーヒー協力、一般社団法人全国大学コーヒー協会及び関西SDGsプラットフォーム後援のもと、豊中市立文化芸術センターにて「コーヒー学入門」を開催いたしました。

初めての豊中市での開催にもかかわらず、とても多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました!

「コーヒーの科学」「コーヒーの歴史」と知られざるコーヒーの秘密がたくさんつまった内容でした。

以下、簡単にレポートさせていただきます。

※ムービーは音が出ます。

 

■第一講座「コーヒーの科学」
金沢大学名誉教授・工学博士 広瀬幸雄氏

コーヒーが「美味しくない」と感じる要因の一つとしてあげられるのは「雑味」です。雑味は、メイラード反応時に渋酸っぱい成分が自由水に溶け込むことで現れると考えています。この雑味に苦味や酸味が加わると舌にいつまでも残ります。

活性酸素を除去した水素焙煎珈琲は健康によいと言われており、低温焙煎、低温抽出することによって、酸化しにくいという特徴があります。

低音の水素焙煎はコクも香りもしっかりありますが、この要因は結合水と自由水の割合で決まります。水素焙煎には水素が必要になるため、水素の保存方法や保存形態が問題になってきます。これは今後の課題ですが、研究が進んでおり、それほど遠い未来ではなさそうです。

 

■第二講座「エピソードで語る「コーヒーの歴史」 」
金沢大学講師 星田宏司氏

コーヒーはもともと、焙煎せずにそのまま煮汁にして飲まれていたと言われています。焙煎が行われるようになったのは、15世紀ごろのことで、コーヒーはその後、嗜好飲料としての性質を強め、その後世界中で親しまれるようになってきました。コーヒー飲用の始まりついては、ゲマレディンの逸話、シェーク・オマルの伝説、羊飼いの発見伝説などがあります。

日本のコーヒーの歴史は、1690年の鎖国時代の長崎出島でオランダ人がコーヒーを提供したことから始まります。1888年に日本最初のコーヒー店「可否茶館」ができましたが、一般にも普及したのは大正時代になってからです。ほとんどを輸入に頼っているコーヒー豆は、日本の外交歴史に大きく関係しており、日本の喫茶店の歴史もまた、日本経済の波に左右されてきたものと言えるでしょう。

 

■第三講座「SDGsの取り組み」
株式会社ヒロコーヒー CSR委員会 林美花

ヒロコーヒーでは国連で採択された国際目標及び日本政府が決定した2019アクションプランをうけて、社内プランを策定、SDGs宣言を表明しました。

“ヒロコーヒーは事業を通じて、社会課題の解決の価値の創造に取り組み、サステイナブルコーヒーの取り扱いをミッションの根幹に据えてSDGsが目指す持続可能な社会実現に向けて貢献いたします。

いままで当社ではレインフォレストアライアンスやオーガニックの認証コーヒーをサステイナブルコーヒーの中心として取り扱っていました。サステイナブルコーヒーの取り扱いを広げるために、2019年より、ヒロコーヒー独自の認証(HIRO CERT(ヒロサート)を設け、人も自然も持続可能な環境を作り続けることに貢献していきます。
その他、店頭でのキャンドルナイト、Think Our Earthフェアの実施、シンポジウムの開催など様々な側面から環境保全に取り組んでいます。

詳細は当社ホームページの環境活動レポートをご覧ください。

 
■第四講座「コーヒーの美味しい飲み方」シンポジウム
 金沢大学名誉教授・工学博士 広瀬幸雄氏
 金沢大学講師 星田宏司氏
 株式会社ヒロコーヒー 代表取締役 山本光弘

ここでは皆様からの質問を数点取り上げさせていただきました。(以下、敬称略)

Q1,よいコーヒーの見分け方教えてください。
A1,雑味がないこと、冷めても味が変化しにくく飲みやすいものがおすすめです。(広瀬)

Q2,アイスコーヒーを美味しくいれるコツはありますか?
A2,コーヒーを少し濃いめ(普段の倍が目安)でいれ、氷にかける急冷方式と、水出しで作る方法があります。アイスコーヒー専用の豆もありますが、普段飲んでいるコーヒーでも十分美味しく作れます。(山本)

Q3,コーヒーカップの変遷で面白いエピソードはありますか?
A3,ヨーロッパ人は猫舌の人、髭を生やしていた人が多いみられたので、そのような人が飲みやすいような形のカップが作られたと聞いたことがあります。(星田)

Q4,コーヒーが100年、200年と続くために私たちができることはありますか?
A4,やはりサステイナブルコーヒーを広く知ってもらい、飲んでもらうことだと思います。コーヒー生産で生産者が生活できるようにならなければなりません。(広瀬)
コーヒーの生産者は日本の米農家と同じです。コーヒーの栽培を続けられるように、サステイナブルコーヒーを広げていきたいと考えています。流通しているスペシャルティコーヒー、サステイナブルコーヒーは5%以内だと言われています。この流通量の拡大が必然です。(山本)

全てお答えすることができませんでしたが、たくさんご質問いただきありがとうございました!

コーヒーの面白さや、いまコーヒーが直面している問題など、いろいろな角度でコーヒーを見た3時間でした。SDGsが目指す持続可能な社会実現に向けて、弊社もサステイナブルコーヒーの取り扱いを根幹に貢献し続けてまいります。


■最後に

最後に、このイベントに関わっていただいた全ての関係者の方々に感謝し、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!