株式会社ヒロコーヒー
CSR委員会 原田理恵

阪急うめだ本店と日本コーヒー文化学会主催、JICA関西(独立行政法人国際協力機構 関西国際センター)と株式会社ヒロコーヒーの協力のもと、阪急うめだ本店9階「うめだホール」にて「大阪でコーヒーを楽しむ会」を今年も開催することが出来ました!
約350名の方にお集まりいただきました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
以下、簡単にレポートさせていただきます。

※ムービーは音が出ます。

 

■第一講座 「生産者からお客様へ。コーヒーの生産のお話。」 

JICA関西(独立行政法人国際協力機構 関西国際センター)のご協力で、今年は7か国の7名の方にお越しいただき、その中から3か国の方にプレゼンテーションしていただきました。

<ジャマイカ>
ハイバード スティーブン アンソニー氏

ジャマイカといえばブルーマウンテンコーヒー。生産量の約85%を日本に輸出していますが、世界のコーヒー市場で見れば割合はわずか1%です。
標高1212mの高地にある、マーベリック農園の紹介をしていただきました。生産者はマーベリンワトソンさん。環境保全と土壌の保護がしっかり行われていて、様々な作物を植え、コーヒーの木の育成に必要なシェード(日陰)を作っています。
味はなめらかでかすかに花やフルーツ、チョコレートなどの香りがします。

コーヒー産業局の品質と産地に関する証明書が一緒に消費国に送られ、そのコーヒーの信頼性とトレサビリティ−を保証しています。

<ルワンダ>
ンヌワリ アラン氏


ルワンダのコーヒー生産地域は37,000ヘクタールで標高900m〜1900mあたりで栽培。35万ほどの小規模農家がコーヒー生産に頼って生計を立てています。
生産量の半分をスイスに輸出し、アメリカ、イギリス、シンガポール、ベルギー、ウガンダ、南アフリカ、日本、ケニア、韓国と続きます。
標高1800mに位置するガストンアンドファミリー農園の紹介をしていただきました。生産者はルタガンダ・ガストンさん。

ここは25ヘクタールある大農園で20,000キロの生産量があります。フルウォッシュと呼ばれる方法で生豆の外側部分を取り除いた後、乾燥の為に用意されたテーブルで乾燥させ、実のすぐ外側の薄皮を取り除きます。 味は素晴らしい甘みと豊かな酸味、しっかりとしたボディと個性的なアロマが楽しめます。

<東ティモール>
レイテ ソアレス ジョニア ドゥ ロザリオ氏

カフェ・ブリサ・セレナ社会事業団で勤務、同事業団は日本のNGOピースウィンズジャパンによって設立されました。過去10年にわたりスペシャルティーコーヒーの品質・収穫量・輸出量を上げるため生産者も共に頑張っています。
生産量の多くをアメリカとドイツに輸出し、ポルトガル、オーストラリア、インドネシア、日本と続きます。
エルメラ地方のレテフォで採れるコーヒーはレテフォコーヒーブランドとして売られています。

この国最大のコーヒー生産地で、ここで採れるコーヒーは緯度・気候・シェイドツリーのおかげで実はじっくりかけて熟成、ほとんどがフルウォッシュと呼ばれる精製方法で処理されます。 レテフォコーヒーは東ティモールで最も好まれているコーヒーで個性的な香りが特徴です。

■コーヒーブレイクタイム

今回は7か国(ブルンジ・ジャマイカ・タンザニア・タイ・東ティモール・エチオピア・ルワンダ)の生産関係者が持ってきた7種類の自慢のコーヒーと、ヒロコーヒーの契約農園であるブラジルボタニカ農園のシャパドンコーヒーと限定パウロセレクションの計9種類のコーヒーを味わっていただきました!

消費者から生産者への質問コーナー

当日ご来場いただいたお客様より消費者から生産関係者への質問を受け付けました。
・温暖化の影響からか、気候変動による影響はあるか?
・自国のセールスポイントは?
・ブルーマウンテンは何故樽で送られる?
・コーヒーの実はどんな味? ・有機コーヒーの割合は?
・認証マークがなくても有機栽培であることもある? などなど、ここではご紹介しきれないですが、本当に多くのご質問を頂きました。 ありがとうございました。

■第二講座  「ブラジルシャパドンコーヒー ボタニカ農園の取り組み。」
 株式会社セラード珈琲 代表取締役社長 山口カルロス彰男氏
 ブラジルシャパドンコーヒー ボタニカ農園 農園主パウロ・セレソ・デ・アルメイダ氏

世界一のコーヒー生産国ブラジル、世界の35.7%の生産量を誇りその量は3,049,000トン。その中で、ブラジル・ミナスジェライス州・セラード地域で生産されるセラードコーヒーの生産量は312,000トン。ブラジルのコーヒー生産量の14.5%を占めます。 セラードコーヒーとは、一定の基準に合格したコーヒーに対し、CACCER生産者協議会が認めた場合「セラードコーヒー」というブランド名になるそうです。 コーヒーの木は種まきから3〜4年で収穫できます。 開花は8月〜10月、結実は翌年3月〜6月、収穫となるが大規模農園かつ平坦な地形であるため、機械での選別収穫も可能。 スクリーン(大きさ)・比重(重さ)・色(黒・発酵・未成熟)で精選します。

集積場に集められたコーヒーは味覚チェックが行われ各消費国へ送られる。 ヒロコーヒーで販売しているブラジルシャパドンコーヒーはチョコレートの様な甘いフレーバーとコク深い重厚な質感が楽しめるスペシャルティーコーヒーです。

■第三講座 「生産者からロースターへ。そしてお客様へ。」トークショー
株式会社セラード珈琲 代表取締役社長 山口カルロス彰男氏
ブラジルシャパドンコーヒー ボタニカ農園 農園主 パウロ・セレソ・デ・アルメイダ氏
株式会社ヒロコーヒー 代表取締役社長 山本光弘氏

そもそもヒロコーヒー山本氏とボタニカ農園パウロ氏の出会いのきっかけはなんだったのでしょうか?

 

山本氏がブラジルの生産地を訪ねたいと思っていた時に山口氏にアテンドしてもらい案内してもらったのがシャパドンコーヒーのボタニカ農園。パウロ氏は寡黙でしたが、農園を見てコーヒー生産に真摯に向き合う姿勢を感じたそうです。 パウロ氏の山本氏の印象は、当時、外国から農園にロースター・消費者が来ることは考えられませんでした。私たちの普通に作ったコーヒーを輸出会社に売るのがふつう。2〜3年位の単発での付き合いだと思っていました。

山口氏の山本氏の印象は、美味しいコーヒーは主流になってきたが、生産者の事を知りたい、近くなりたいと考えていたのが山本氏でした。山口氏が考えていた生産者と日本の企業との懸け橋に、との考えと共通するところがりました。 そんな寡黙なパウロ氏が取引10年ぐらいのある日、ブラジルを訪れていた山本氏に「ヒロコーヒーと出会い、仕事が出来て本当に良かった」という一言を聞きやっと信頼してもらった、信頼関係を築くことの難しさと改めて生産者の事をもっと伝えていかなければならない使命を感じました。 生産者として、ロースターとして。

共によりおいしい、品質の高いコーヒーを提供できるよう互いに切磋琢磨し続けたとき、お客様に飲んでいただくコーヒーはより良い物となっていることを確信しております。コーヒーを購入する時、どこでいつどんな人が作ったものか気にしてみるとまた違った世界が広がると信じています。

 

■最後に

『生産者と消費者をつなげる場を!』と、始まった「大阪でコーヒーを楽しむ会」。
創業40周年!の記念すべき年に、こんなに多くのお客様に来ていただき本当にありがとうございました 。

サスティナブルコーヒーへの取り組みのきっかけとなったボタニカ農園の生の声も聞いていただき、ヒロコーヒーは41年目の新たな一歩を踏み出すことができました。
生産者と消費者、コーヒー豆は農作物なので良い時もあまり良くない時もある。それでもずっとお互いに、対等な立場で関係を続け、互いの信頼関係を築けた時、よりよい品質のコーヒーを目指していける最高の近道であると思います。
どのような人がどのような環境で作り、持続的に環境に良い、品質の良いコーヒーをお客様にご案内し、お届けしてまいります。

最後に、このイベントに関わって頂いた全ての関係者の方々に感謝し、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。有難うございました!